年が明けてしまいましたが、だんだんに、どうやったら実際にアレンジできるのか?
というところに入っていきます。今までの理論を一通り復習してみて下さい。そして、
それをきちんと理解できれば、これからの内容についても、大丈夫です。
今回は、和音の話が中心になります。
1.和音の話
2.基本のコードネーム
3.和音の役割と連結
4.音楽はカデンツの集合体
【1.和音の話】
基本的な和音は、ドミソ、レファラ、というように、3度ずつ(音程の度数、憶えて
いますか? 忘れた人は、前回の連載を精読して下さい!こちらから)音を重ねた状態をいいます。
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和音を学ぶためには、最初は、コードネームで憶えるよりも、その調の中での
和音の役割を理解する必要がありますので、以下のように、和音を憶えていきましょう。 |  |
前回の、音階のところで、ドレミファソラシド、ではなく、I−II−III−IV−V−VI−VII
という風に数字で憶えましたよね(図1ーI)。和音も同じです。 Iの和音だったら、一つおきに、
I−III−V という和音になります。ハ長調だと、ドミソです。II の和音は
、II-IV-VI 、III の和音は、III-V-VII となります。(IV の和音は、IV-VI-VIII
ではなく、VIII=I の音なので、IV-VI-I です。)(図1−II) |
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次に、各和音に含まれる音が、それぞれどういう音程関係になっているのか、詳しく見て
みましょう。 |
| ドレミファソラシドのように、長調の音階で考えてみます。分かりやす
いように、ハ長調の階名も併記します。
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| I の和音(I-III-V)(ドミソ) | I-III(ド-ミ)= 長3度 III-V(ミ-ソ)=短3度 I-V(ド-ソ)=完全5度 |
| II の和音(II-IV-VI)(レファラ) | II-IV(レ-ファ)=短3度 IV-VI(ファ-ラ)=長3度 II-VI(レ-ラ)=完全5度 |
| IIIの和音(III-V-VII)(ミソシ) | III-V(ミ-ソ)= 短3度 V-VII(ソ-シ)=長3度 III-VII(ミ-シ)=完全5度 |
| IVの和音(IV-VI-I)(ファラド) | IV-VI(ファ−ラ)= 長3度 VI-I(ラ−ド)=短3度 IV-I(ファード)=完全5度 |
| Vの和音(V-VII-II)(ソシレ) | V-VII(ソ−シ)= 長3度 VII-II(シ−レ)=短3度 V-II(ソ−レ)=完全5度 |
| VIの和音(VI-I-III)(ラドミ) | VI-I(ラード)= 短3度 I-III(ド−ミ)=長3度 VI-III(ラ−ミ)=完全5度 |
| VIIの和音(VII-II-IV)(シレファ) | VII-II(シーレ)= 短3度 II-IV(レ−ファ)=短3度 VII-IV(シ−ファ)=減5度 |
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| それぞれの和音の最初の音(Iの和音だったら、Iの音、ドミソの和音のドの音です)
を根音(英語だとルート)と言います。それぞれの和音で、根音が一番下に来
ている和音を基本形と言います。
ここで、長調の各和音を見てみると、いくつかのパターンに分けられます。
一つ目のグループ・・・Iの和音、IVの和音、Vの和音
二つ目のグループ・・・IIの和音、IIIの和音、VIの和音
ちょっと番外・・・・・VIIの和音
なんでこの3つのパターンに分けられるかは気づきましたか?
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一つ目のグループをピアノで弾いてみると、明るい印象で響きます。これを、長3和
音(メジャー・トライアド)と言います。反対に、二つ目のグループは、暗い感じがする和音ですよね、これを
短3和音(マイナー・トライアド)と言います。 この二つのグループは、両端の音同士は、どちらも完全5度なのですが、真ん中の音の高さが、半音違っています。長3和音は、根音と真ん中の音
が長3度、短3和音は、短3度なのです。(図2ーI) | 
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| 番外のVIIの和音ですが、根音から真ん中の音、真ん中の音から上の音までが、どちらも短3度で、両端の音同士は、減5度になります。こういう和音を減3和音(ディミニシュ・トライアド)と言います。
【2.コードネームの基礎】
ここで、コードネームの基礎について触れておきます。コードネームというのは、
楽譜の上にアルファベットで記してある記号です。これを見れば、その時に鳴らす和
音が一発で分かる仕組みになっています。まず、大文字のアルファベット、
C、D、E、F、G、A、B
等ですが、これは、和音の根音(=ルート)を示します。さらに、大文字の後に何も
ない場合、長3和音であることを示します。たとえば、
Cだったら、ドミソの和音、
Fだったら、ファラドの和音です。
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もう一度言いますが、根音と真ん中の音までが長3度、真ん中と上の音までが短3度
、両端が完全5度です。
それじゃあ短3和音はどのように記すのかですが、大文字の後ろに、小文字の「m」
を書きます。
Cm、Dm、Em、Fm、Gm、Am、Bm、という風です。
ここで、ハ長調の和音を、コードネームで書いてみましょう。(図1−II参照) | | I | II | III | IV | V | VI | VII | | C | Dm | Em | F | G | Am | Bdim |
| となります。VIIの和音だけが、減3和音ですから、唯一他とは違った文字がついてい
ます。dim は、ディミニッシュと言います(図2参照)。 コードネームは、コードネームを見ながらギターやピアノで和音を弾いたりするのに
とても便利です。
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でも、理論の世界では、コードネームではなく、【1】で書いたように調の中での何番目の和音か、という数字で勉強していきます。 なぜかというと、それぞれの和音は、ある調の中で何番目に出てくる和音なるのかで、それぞれの役割があって、たとえば、同じドミソの和音でも、ハ長調に出てくるドミソ(最初に出てくる和音です)と、ト長調で出てくるドミソの和音(4番目に出てくる和音です)では、役割が全然違うのです。それは、そ
の調の曲の中で、他の和音がどう鳴るかで、相対的にドミソの和音のカラーが違っ
て聴こえるということなのです。 では、和音の役割と連結について、話を進めましょう。
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| 【3.和音の役割と連結】
【1】で、和音を音程の関係関係によって性格分けしました。こんどは、和音をつなげて行くにあたっての、取り決めについて書きたいと思います。 中学の英語の授業で、主語−述語−目的語、とか、主語−述語−目的語−補語とか
って勉強しませんでしたか? 和音の連結にも、そういう取り決めがあります。文章み
たいに、一つの調の中での役割が決まっているんですね。その役割(英語でいうと、
主語、目的語、とかです)をまず覚えて下さい。
ア.和音の役割
和音の理論では、それらの役割をトニック、ドミナント、サブドミナントと性格付けしています。 カッコで囲まれたアルファベットは、 ハ長調(CMajor)でのコードネームです。
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| ハ長調のIの和音(ドミソ)は、平行調であるイ短調のVIの和音(ラドミ)
と、ドとミの音を共有していますよね。なので、音楽が進んできて、
そろそろ安定したいな、と言うときに、表で安定するか、裏で安定
するか、という違いだけなのです。もちろん、表で安定するのが一番ホッと
しますが。 | | | |
(2)『サブドミナント』 |

『サブドミナント』は、トニックと性格が似ています。トニックとドミナントの
間を取り持ったり、トニック同士をつないだりするときに、より、響きを豊にして
音楽に幅を持たせる役割を持っています。
サブドミナントの和音は、IV、ハ長調で言うとファラドです。ハ長調の下属音を
根音として持っている和音ですので、「下属和音」と言います。トニックと同様に、
サブドミナントにも表と裏があります。IVの和音を表だとすると、その平行調に
あたる3度下の和音、IIが裏になります。なので、サブドミナントは、IVとIIの
和音ということになります。
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(3)『ドミナント』

ドミナントは、その調の中で一番不安定な和音です。ハ長調ではソシレですが、
ソシレの真ん中の音が、導音になっています(図3)(講座の1回目参照)。 |  | | 導音は、その調の主音にどうしても移動したくなってしまう音です。なので、ドミナントの和音
が響くと、自然にトニックに解決したくなってしまうのです。ドミナントの根音は、
Vの音、ハ長調でいうとソの音で、これは、「属音」と言いますから、Vの和音の
ことを「属和音」と言います。
ドミナントというのは、英語のdominate(=支配する)という言葉から来ています。
実際に、調の一番安定している和音はトニックなのですが、その調を支配している
和音が、一番不安定な和音だ、というのは面白いですよね。思わずトニックに進む
ことを期待させるような響きが、その調を支配しているんだ、というネーミング
と言えるでしょう。
もちろん、ドミナントにも、裏と表の和音があります。でも、ドミナントの裏の和音
については、後ほど触れます。ちょっと、他の和音とは事情が違って少し込み入って
いるのです。
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| イ.終止型(=カデンツorケーデンス)
トニック、サブドミナント、ドミナントのそれぞれの役の登場には、英語の文法で、
主語、述語の登場する順序が決められているように、決められた順序(コード進行と
言います)があります。コード進行には、それぞれたくさんのパターンがありますが、
その基本的な形を終止型と言います。原則的には全ての和音の進行は、安定している
音から始まり、不安定な音を経て、また安定した音に「終止」する、というふうになっ
ています。イタリア語でカデンツ、英語でケーデンスと言います。
終止型は、
T−D−T
T−S−T
T−S−D−T
(T=トニック・D=ドミナント・S=サブドミナント)
という3つのパターンです。ハッキリ言って、このパターンの組み合わせでバランス
を整えていけば、曲がつくれるし、全ての曲は、このパターンの連結に従っていると
言っても過言ではないです。
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よく、子供の発表会とか、小・中学校の音楽の授業の最初と最後に、ピアノの和音に
従ってお辞儀しますよね、和音を書くと「I−V−I」という和音なんですが(図4
)、これは、上の、「T−D−T」の連結です。結婚式で歌ったりする賛美歌の
最後に、「アーメン」って歌いますが、和音は、「I−IV−I」で、「T−S−T」です。(図5) |  |
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具体的に和音をあてはめると、
T−D−Tなら、I−V−I(VI)
T−S−Tなら、I−IV−I
T−S−D−Tなら、I−IV(II)−V−I(VI)
(図6)になります。(基礎で学ぶ和声学理論では、II−I、IV−VIの進行は除外して
おきます。) | 
【4.音楽はカデンツの集合体】
ここで、キラキラ星を例としてあげて、終止形がどのように当てはまっているのか
見てみましょう。(図6)。このように、曲の中で、和音の連結が、理論的に収
まっていると、すごく自然に聞こえることが理解できましたか?
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では、さっそっく、キラキラ星の曲に和音を当てはめて、基本的なアカペラコーラ
スを作ってみます。まず、基本的な、ソプラノ、アルト、テノール、バス、という形式で、
和音は、すべて根音をベースにします。そしてなにより、皆さんがここまで読んだ範囲
で和音をつけたいと思います。
まず、基本的な、ソプラノ、アルト、テノール、バス、という形式で、
和音は、すべて根音をベースにします(図7)。 | 楽譜をクリックすると大きくなります。
 | このまま歌えば、きちんとしたアカ
ペラコーラスとして十分綺麗に響きます。ただし、まだ、この和音は本当に基本中の基本
です。
お料理で言えば、材料を並べたというところです。
次回からは、さらにもう一歩進んでみたいと思います。
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